東北ボランティアに参加しました

2017年8月21日~8月24日の4日間、東北ボランティアグループである「つながろう東北」の8名の学生が丸山宏昌先生と一緒に、宮城県石巻市にあるNPO「まちの寄り合い所・うめばたけ」でのボランティア活動と被災地視察を行ってきました。以下、その報告です。当日のスケジュール、うめばたけでの活動、被災地視察、メンバーの感想という順に報告していきます。ぜひ読んでください。

旅程
8月21日 15:30 札幌駅 集合
16:30〜17:45 札幌駅 → 苫小牧空港(往復券購入)
19:00〜10:00(22日) 苫小牧空港 → 仙台駅
8月22日 10:28〜11:11 仙台港 → 仙台駅
12:50〜 仙台駅 → うめばたけ
13:00〜 ボランティア開始
・ブックハント
・POP作り
・BBQ
・花火
・ゲーム
8月23日 〜10:00 ボランティア修了
10:00〜15:52 被災地視察
17:47〜18:32 仙台駅 → 仙台港
19:40〜11:00(24日) 仙台港 → 苫小牧駅
8月24日 11:46〜13:38 苫小牧港 → 札幌駅
13:50 札幌駅 解散

うめばたけでの活動

うめばたけでの活動内容は、子どもたちがうめばたけの図書館に置く本を選ぶブックハントのお手伝い。それで自分たちが選んだ本を紹介するPOP作り。地域交流をするため北海道の食べ物である、ジンギスカンやじゃがバターをふるまうバーベキュー。毎年行っている花火。北海道のローカル遊びを知って楽しんでもらおうと企画したゲーム(大根抜き)。その他にも大学生一人一人がカードゲームをしたり、一緒に走り回ったりして、子どもたちを楽しませて活動しました。 私たちは子どもたちと出会うまで馴染めるかどうか不安を抱えていましたが、一緒にレクリエーションやバーベキューをして、すぐに仲良くなることができたので安心しました。 カードゲームで頭を使ったり、大根抜きや追いかけっこで体を使ったりと、うめばたけの子どもたちはとてもアクティブでした。中でもキャッツアンドチョコレートというドイツゲームでは、小学生ならではの柔軟な発想に驚かされました。 普段なかなか関わる機会のない子どもと交流することができ、貴重な経験をすることができました。

うめばたけでの活動 被災地の様子
身長を優に超える波 被災地の様子

被災地視察

被災地視察では、石巻市沿岸部⇒女川町⇒雄勝町⇒大川小の順に、一般社団法人・防災プロジェクト 被災地語り部ガイド代表の中井政義さんにガイドをしてもらいながら視察しました。 門脇地区では、震災から長い月日が経った今でも昔の道が混在しており、草が生い茂り、住宅の地盤が草に隠れて残されているような状態で、復興が進んでいると言えない状況にありました。しかし、全てが進んでないという訳ではなく、新たな被災者支援住宅は既に出来ており、避難指定場所ともなっていることから、教訓を活かした生活作りが始まっています。また、2011年の紅白歌合戦で長渕剛氏が歌った場所である門脇小学校は学校の真ん中を残し、他は取り壊すことが決まっています。 女川町では、女川町立病院と女川駅周辺を視察しました。 女川町立病院は高台にある病院で津波避難場所に指定されていましたが、病院1階の天井付近まで浸水しました。病院の浸水高は19,5mで、自分たちの身長を優に超えるものでした。 大川小学校では、実際に学校の近くまで行き、視察しました。 大川小学校は石巻市釜谷地区の北上川河口から約4キロの川沿いに位置します。3月11日の東日本大震災で全校児童108名のうち74名が犠牲になりました。また、10名の教職員が犠牲になりました。地震発生時から津波到着までの時間は51分、大川小学校を襲った津波の高さは8,6mです。近年、震災遺構として残されることが決まりましたが、現在の話にまとまるまで遺族と小学校側で長い話し合いを要したそうです。

感想

連川諒

地域社会学科2年

私は今回のプロジェクトへの参加は2回目で、2つの目的をもって参加させていただきました。1つ目としては、被災してから6年の変化と、去年から今年の1年でどのような変化があったかについてです。2つ目としては、昨年被災地を視察して様々なことを感じましたが、今年はどのように感じるのかを知りたかったからです。去年と何も変わりがない部分も多くありました。一方で、何もなかった更地に住宅が作られてあるなど、少しずつではありますが、復興の兆しを感じることができました。 地元の語り部ガイドさんは「どこが復興のゴールなのかわからなくなっている。今年は被災地の復興より、被災者の心の復興のほうが大変だ。」と言っていました。私には何をすることができるのかを考えて、実際に行動をし、少しでも被災者の心に寄り添えるように日々努力をしていこうと思います。

片山穂香

地域社会学科2年

私は、今回うめばたけのボランティアに参加して、子供達の強いパワーを感じました。それと同時に、大学生になって日々の生活に「慣れ」が増えてきた私に、目の前の物事を一つひとつ思い切り楽しもうと思わせてくれました。 ボランティアの夜、子供をおんぶして遊んでいると、一人の女の子が「背中に乗りたいから、ポッケのスマホ気を付けてね!」と声を掛けてくれました。私は小学生にして、このような気遣いをしてくれることに驚きました。 被災地視察では、震災の被害を受けた語り部さんから現地の案内をしていただきました。被災した小学校の親族の方々からは現在も学校の対応への不満が聞かれ、裁判にもなっているそうです。 今回は子供達に対してのボランティア活動でしたが、今後は現地の大人の心のケアも重視するべきだと思いました。

新井田早栄

美術学科2年

”自分ゴト“として考えるということは、聞いたコト、見たコト、を感じたままにするだけでなく、自分の中に取り込み、自分がもし同じ出来事に出会ってしまった場合、どうしたら良いか考えるコト。そのためにできるコトをやる。できるコトとは東北へ行くことだけではない。今の自分がこれからの自分に対して何ができるのか、過去のみんなが経験したことを知り何が活かせるか、そう考えるコトが”自分ゴト“として考えるコトだと思う。(特に私は「津波避難ビル」のマークの認知度の低さや、分かりづらさを改善したい)被災された方々はもう二度と同じ経験を他の人に味わってほしくないだろう。だからこそ、そんな方々のためにも、できるコトをする。それは、みんなで。そのキモチが復興へ繋がると私は思う。

阿部海都

地域社会学科1年

私は今回、東北に住んでいる方々の力になれたらと思い、初めて東北ボランティアに参加しました。うめばたけという子ども図書館では、ブックシェアリングやお泊り会で現地の子供たちと交流することができ、天真爛漫な子供たちに圧倒されました。3日目は、実際に被害にあった現場を訪れました。そこでは、テレビでは報道していなかったことも含め、現地ガイドさんからたくさんお話を聞けたことで、テレビで見ていたことでは、全然違ったということがよく分かりました。 4日間という短いスケジュールではありましたが、災害の恐ろしさや事の重大さが身にしみて感じ、災害の深刻さというのを、改めて重く捉えることが大切だと思いました。

小林祥

地域社会学科1年

今回の「つながろう東北プロジェクト」を終えて、多くの発見や復興へ向けた東北の現状を把握することができ、自分の経験として取り組むことが出来た。特に今回のフィールドワークで仙台市内、石巻の門脇地区や女川町の大川小学校と宮城県内の主要地区を見ることができ、現在の東北の市民生活の実態を探ることが出来た。又、私達の行った石巻の門脇小学校、大川小学校は近年、震災遺構として校舎の保存が決まったが、建物が残っても、残された遺族の元に被災し亡くなった方々が決して戻って来ることはない。しかし、被害にあった遺族の方々も前へ向け歩みを始めていると、再確認した。 最後に、このプロジェクトの関係者の皆さん、プロジェクトを今日まで引き継いで下さった先輩方、丸山先生、荒井先生、大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

東井遥菜

地域社会学科1年

私は今回のボランティアで震災にあった後の東北に初めて訪れました。現地へ行く前は、震災にあってから6年も経ち、だいぶ復興も進んだだろうと思っていました。でも、実際に現地へ行ってみたら、自分が思っていたよりも復興は進んでいなくて、震災にあったままの状態だったり、至るところで工事をしていたり、仮設住宅もまだありました。そんな中、ボランティアで一緒に過ごした子ども達はとても元気いっぱいでした。私はこのボランティアで学ぶことや得ることがたくさんありました。 現在、東北の復興がどのくらい進んでいるのかを知らない人が多くいると思います。今、東北がどうなっているのか、実際に行って感じたことなど、東北にまつわる情報を自分たちで発信していけたらなと思います。また、来年、再来年とこの活動を続けていけたらいいなと思います。

谷口柚月

地域社会学科1年

私は被災した東北の力になりたいという気持ちが以前からあり、今回のボランティアの参加させていただきました。そして、初めてリーダーを務めさせていただきました。 うめばたけでは、ただ子どもたちと交流するだけではなく、子どもたちにジンギスカンとじゃがバターを振舞うことで、地域交流をすることができました。 被災地視察では、実際に被災された語り部さんの話を聞いて、テレビでは放送されていない事実や、被災された方々の現状を知ることができ、今、被災地や被災された方々に対して必要なことは何なのかを考えさせられました。目立ったボランティアが少なくなった被災地で自分たちができることを考え、これからの活動の内容をもっと充実したものにできたらと思います。

文責:谷口柚月

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