2024/12/16 社会学部地域社会学科 イベント / お知らせ

地域社会学科2024年度ビブリオバトルを開催しました

2024年12月9日(月)に、学科の恒例行事となった基礎ゼミ1年生のビブリオバトルを開催しました(全ゼミ合同)。

ビブリオバトルとは、自分が選んだ本の面白さを紹介しあう書評ゲームのことです。各ゼミ予選を勝ち抜いた代表者11名がそれぞれ発表した後に、学生たちを中心にディスカッションを行いました。最後に、どの本を読みたくなったかを投票し、最多票を集めた本を選出しました。

なお、発表者や聴衆だけでなく、司会を担当したり発表順を決めたりするのもボランティアという形で学生自身が担当しています。

発表後のディスカッションも含めて、本の内容だけでなく発表する学生自身のキャラクターや魅力を深く掘り下げる機会となりました。

投票の結果は以下のとおりです。

1位(最優秀賞) 加藤 日向太さん 『むかしむかしあるところに、哲学者がやってきた。』(小川仁志著)
1位(最優秀賞) 三宅 立真さん 『山月記』(中島敦著)
2位(優秀賞) 加藤 光希さん 『覚悟の磨き方-超訳・吉田松陰』(池田貴将編訳)

同数の票を獲得した2名が最優秀賞に選ばれました。

今回のビブリオバトルでは、二つの特徴が強く感じられました。一つ目は本を通じて自分のことを伝えようとした発表が多かったこと、二つ目は聴衆とコミュニケーションを取りながら話す発表スタイルが多かったことです。学生たちにとって読書が閉じた行為ではなく、他者へと開いていく行為であることがうかがえました。

また、表彰された3名の選んだ本は、いずれも著者(および編訳者)の読む行為が折りたたまれているもの、言い換えるなら著者自身の「読み方」を誰かに伝えようとして書かれたものです。『むかしむかしあるところに、哲学者がやってきた。』には7つの昔話と複数の現代思想の本が、『山月記』には典拠とされる中国の説話『人虎伝』が、『覚悟の磨き方-超訳・吉田松陰』には吉田松陰の残した言葉たちが含み込まれています。

これらの本を通じて、先行する複数の物語・言葉に対する興味も湧いてきたことでしょう。このイベントを入り口にさまざまな世界に飛び込んでくれることを願います。